【エリトリアプロジェクト】

◎きっかけ

2004年夏までロベルカルで一緒にプレーしたチャールズ・テツ・ゴードン。
彼は2005年〜2007年まで、アフリカのエリトリアという国で中学生に英語を教えていました。
そんなチャーリーからの久しぶりのEメールがきっかけでした。



冒頭(翻訳した後の文章です)

ハローハロー
みんな元気?
元気だと願っています。
今、ロベのホームページを見たよ。
今、僕は休暇中で、南アフリカから手紙を書いています。
ようやくロベのホームページを見ることが出来た。
残念ながらエリトリアでは日本語をコンピューターで表示することが出来ないけど、ロベルカルの益々の向上にすごく幸せです。
最後にみんなと会ってからだいぶ経ったけど、僕の事を覚えてくれていると願っています。
エリトリアでの生活とサッカーについて短い記事をみんなのために書きました。
この記事はチームのみんなに差し上げます。
ぜひ読んでください。
翻訳は僕の母にしてもらいました。
可能なら、新聞等で掲載してもらえると、スゴイことだと思う。
異なる文化を知る事はとても大切だし、エリトリアについて少しでも知ってもらう事はとても興味深いと思う。
どう?
可能かな?
期待しています。
みんなが記事を楽しんでくれると期待しています。
感想も教えてね。
またメールチェックするから返信ください。

チャーリー



記事(チャーリーのお母さんによる翻訳)

僕が着ている黒のフットボールトップを見て、サラムが「ロベルカルって何のチーム?」と聞く。
「どうやって背中に名前がつけられたの?」と他の女子生徒が聞く。
ある木曜日の昼12時。
アフリカの太陽は最高潮に達する。
焼け焦げた空き地に過ぎない様な学校の広場、とげとげしい植物があちこちに生えた土地でボールを蹴っている僕達の上に、太陽は強く焼き付ける。
もろこしの種は雨が来るのを待っている。
この土地に隣接して国連の平和部隊の基地が有る。
いつものように僕達はトレーニングに励む。
15−20人の女子生徒はスポンジのサンダルを履いている子もいればナイキのトレイナーを履いている子もいる。
汗をかいているのは僕一人のようだ。

中野市の中学でのAETの仕事後、日本を離れて二年が過ぎた。
現在は一年前から、アフリカの小さな国エリトリアの南方の町、アディ・クアラで中学生に英語を教えるボランティー活動をしている。
学校から10分も歩くと遠くにそびえ立つエチオピアのハイランドの高原が眺められる。
エチオピアはエリトレアの巨大な隣国だ。
この国と30年の戦いの後、1993年に独立した。
アフリカでの独立戦争の中では最長期間に渡り、350万人の命を失った傷は深く残る。

「ロベルカルと言うのはね」と説明を始める。
「日本で僕が一緒にプレーをしていたチームなんだ。」
生徒の多くが日本と言う国名にある種の認識を示す。
質問が来る。
「日本でもインジーラを食べるの?」
インジーラと言うのはエリトレアやエチオピアで食べるローカルフードだ。
「テフ」という世界でもこの辺でしか取れない穀物の粉で作る、醗酵して酸っぱくなってから、薄く伸ばしてパンケーキのように焼く。
これをお皿のように使い、上にシチューの様なソースをかけ、右手で食べるのだ。
僕が、「日本人はまだ食べた事は無いな」 と言った時の彼女達の驚きは大きかった。

僕が学校の女子フットボールチームを作ると申し出たのには二つの理由が有る。

一つは、この国では女子の教育と言うのは差別視されている。
親の多くは、女の子は家事や小さな子の面倒見の方が教育より大事だと思っている。
もし金銭的に困っている場合、学校に行くのは男の子が優先される。
女の子は学校を中途退学して、時には14歳と言う若さで強制的に結婚をさせられる事も有る。
学校の先生でさえ、男女への教育は差別している。
その結果として、僕のいる中学の様に女子学生の率は30%にしか満たない。
年齢が上がるにつれ、率は減少し、大学に於いては5%にしか行かない。
学校でのスポーツ教育も同じ事が反映しているのは驚きではない。
少しのスポーツ教育が女子生徒にも当てられてはいるが、先生も男子に比べたら重要視はしていない。
ここで僕は女子のスポーツ教育への意思拡大にチャレンジしようと思ったのだ。

もう一つの理由は、僕のフットボールへの愛着だ。
中野市での素晴らしいチームとプレーし、ロベルカルの友に「グッドバイ」と言って以来、僕は16番のシャツを着てボールを蹴りたいと言う欲望がむんむんと湧いていた。
僕の中で君達のチームの魂が生きている。だけど誰もボールをパスする相手がいない。
ここにチャンスを見たのだ。

スタートはゆっくりの物だった。
木曜の放課後、ほんの数人の、それ程興味を持ってない子がボールを恥ずかしがりながら、蹴っていた。
段々時が経つにつれ、興味が高まって、数ヵ月後には1チームが結成出来る程の参加者が集まった。
1月には新しく出来た女子トーナメントに参加し、初めての試合に楽勝した。
キャプテンのキサネットが素晴らしいハットトリックの演技を見せて得点を上げた。
昼食休みのトレーニングセッションの数も増加して来た。
男子生徒からさえ参加申し込みが出だした。
ごめん、男の子は駄目、ガールズオンリーだ。

次の数試合も同じ様に楽勝した。
この時期には我々の練習風景を見る為、太陽と埃の中、見物者でびっしりになって来た。

急速なるチーム向上により、驚くばかり、この県の首府のメンデフェラチームと決勝戦を行う所までこぎつけた。
僕達の町は小さな町。
物凄いチャレンジだ。
でも、もしこれに勝てば僕達はこの地方のチャンピオンになるのだ。

バスで1時間。
中にはバスに乗るのも初めてと言う子もいる。
この為に作られたスペシャルの洋服を着てメンデフェラに到着した。
相手チームの選手は僕達のチームの2倍位大きい体形だ。
笛が鳴る。
ゲームの始まり。
当然相手チームは体の大きさを利用するだろう。
こちらのチームは小さい体でキックして回る。
でも、こちらのドリブルのテクニックが物を言い、急速に前進する。
驚く事に双方無得点。
ペナルティーキックに持ち込む。
我々のヒーローのゴールキーパー、ウンギスティーは頑張り、双方無得点。
ここで信じられない事が起こる。
最後のキックで僕達のボールがネットに踊り込んだ。
僕たちのチームがチャンピオンの王冠に輝いた!!
チームは信じられない喜びにピッチを踊り回り、飛び回って祝った。

この程度の業績で底の深い教育問題を変更することは不可能だが、これによって何か新しい方向へ動く援助に役に立てば良いと願う。
学校の朝礼で、校長からトロフィーを与えられた後、今迄消極的だった体操の先生がやって来た。
来学期はもっと頑張って欲しい、その為にシーズン前の「プリ・トレーニングをやろう」と言ってくれた。
彼は加えて言った。
「そして、いつかは日本に行って、君のロベルカルチームと試合をしよう!」

なんと素晴らしい、大きな夢だろう。

チャーリーwithエリトリアガールズ
The winning day in Mendefera


この文章は「北信ローカル」という地元の新聞でも紹介され、大きな反響をいただきました。
そこで、当チームのメンバーの発案で、 「すでに不用であったり、サイズが合わない等のサッカー・フットサル用品をエリトリアへ送ろう!」 ということになりました。

AJITOで作成してもらったチラシはこちら
<このページのトップへ>